三之助豆腐で作る豆腐百珍
【2006年】
【6月】 茶豆腐
【5月】 香魚もどき
【4月】 青海豆腐
【3月】 雉子焼田楽
【2月】 砕き豆腐
【1月】 はんぺん豆腐

【12月】 冬至夜豆腐
【11月】 豆腐麪
【10月】 礫田楽
【9月】 青豆豆腐
【8月】 雷豆腐
【7月】 蜆もどき


【十二月】 冬至夜豆腐


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今月は、「かちかち」を使って「豆腐百珍七十二、冬至夜豆腐(とうやどうふ)」を作りました。

百珍の「冬至夜豆腐とは、醤油と酒で煮た八角形の豆腐の上に、豆腐・あたり胡麻・葛をあわせて作る“豆腐味噌”を添えて供すという豆腐料理です。

豆腐百珍の原文には、「柴野大徳寺では、豆腐を味噌で煮、豆腐味噌をかけて食べる。冬至の夜、一山の各院全てがこの豆腐を煮る。」とあるそうです。

この豆腐味噌、味噌だと思いきや、八角形に形どった残りの豆腐と、あたり胡麻を合わせ、そこへ葛を加えてとろみを付けた“味噌風のソース”というものなのです。これを醤油と酒だけで煮しめた豆腐に添えるという発想自体が斬新で、とても二百年前のものとは思えません。例えば、今の時代の料亭でお出しても誰もが繊細な和風の創作料理だろう・・と思ってしまうのではないでしょうか。食べてみると滋味深さの中に繊細さが感じられ、発想者の感性に脱帽です。この“豆腐味噌”野菜の白和えの衣としても充分に応用ができます。真冬の小松菜、ほうれん草などの葉物野菜や大根や蕪の白和えにご活用してみてはいかがでしょうか。

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【十一月】 豆腐麪


IMAGE今月は、「かちかち」を使って「豆腐百珍七十四、豆腐麪(とうふめん)」を作りました。

百珍の「豆腐麪」とは、水気を切った木綿豆腐と素麺、たっぷりの青菜(小松菜)をごま油で炒め、醤油で味付けするという豆腐料理です。

沖縄のソーメンチャンプルによく似た料理で、青菜をたっぷり使うところが緑爽やかで、味も優しく仕上がります。

また、みじん切りに切った青菜が細かくほぐれた豆腐と素麺に絡み、見た目にも優しそうで、ついつい手が出てしまいそうな、そんな親近感が沸いてしまうような料理でした。味付けは醤油だけ。ごま油とこの醤油だけの味付けが何ともシンプルですが、コクのある、でもあきのこない素朴な美味しさをごま油と醤油が醸し出しているようです。たっぷりの“みじん切りの青菜”というのも味に素朴感を出す要因になっているのかもしれませんね。

これが二百数十年も昔の料理とはとても思えず、今こそ普段の食に取り入れたい気取らない一品です。こんなシンプルで美味しい、且つ健康的な料理が今の時代でも充分に通用するなんて、食の欧米化で飽和しているこの時代に、敢えて日本の食文化を見直す機会を与えてくれているような気がしてなりません。

 素直に豆腐百珍からのメッセージを受け取りたいと感じました。

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【十月】 礫田楽


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今月は、「かちかち」を使って「豆腐百珍九十六、礫豆腐(つぶてでんがく)」を作りました。

百珍の「礫田楽」とは、丁寧に水切りした豆腐を田楽に焼いたものに、白味噌を煮きり酒と酢味噌で丁寧にのばし、からしを加えて作った“からし酢味噌 ”をたっぷりかけ芥子の実を添えたいわば豆腐田楽の酢味噌掛け料理です。

「礫」(つぶて)とは、小石のこと。豆腐の形が“礫”に似ているところからこの料理名がついたということのようです。

最近では、スローフードをキーワードに昔ながらの食材が見直され、その食材の生産の履歴や工程に問題が無いか、また食べる人のことをきちんと考えて作られているかなどが改めて問われ始めています。しかし現代はスピード化時代。家庭では“如何に少ない時間で調理できるか”や“シンプルな料理で簡単に作りやすいか”などが多くの現代人のニーズになっているようです。

今回のこの「礫田楽」も一見、田楽の下拵え、焼き、からし酢味噌作りと、現代のそんな感覚から考えたら少し面倒なような工程だと思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、一時の間、江戸グルメ人に変身し、ゆっくり気を落ち着け、気持ちを込めて食材を扱い、丁寧に工程を進めてみてはいかがでしょう。きっと今とは違う、江戸時代の落ち着いた空気や食材に込める心意気、そこに流れる美意識に触れることができたり、感覚を味わえるような気がいたします。また、先人達からの思いがけないメッツセージを感じることができるかも知れませんね。


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【九月】 青豆豆腐


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今月は、「三之助豆腐」を使って「豆腐百珍三十三、青豆豆腐(あおまめどうふ)」を作りました。

百珍の「青豆豆腐」とは、枝豆を丁寧にすりつぶし、絞った豆腐、塩、酒、卵白を加えて型に入れ、ゆっくりと蒸しあげた豆腐料理です。

枝豆の香りが立ち、青豆と豆腐の大豆の甘みが相まって、甘みがとても豊かに感じられる優しい味の百珍です。

薄皮を丁寧に取り除き、なめらかにひたすらよく擂る作業が、口に入れると溶けてしまうような、ふんわりした食感と色鮮やかな仕上がりに繋がります。

最近は、“茶豆”や“毛豆”など、その地方に昔からある在来の枝豆などが特選品としてスーパーやデパートにも並ぶようになりました。枝豆は、その土地々で作る品種により播種期や収穫期が異なるようですが、その品種に合った収穫の適期がそれぞれあるようです。近年は品種改良が進み早採り枝豆も増えてきているようですが、在来枝豆の収穫期は、本来九月〜十月半と結構遅いもののようです。この収穫の適期が枝豆の香りと甘味を大きく左右するのだと農家の方にお聞きした覚えがあります。

枝豆の命は、香りと甘み。“青豆豆腐”を作る際には、ぜひ、香り豊かな美味しい枝豆をご用意下さい。そしてひたすらすり鉢で擂るというシンプルな調理法だからこそ、素材の扱いや所作に充分に気をまわしながら、江戸の暮らしや食文化、江戸グルメ達の味覚に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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【八月】 雷豆腐


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今月は、「三之助豆腐」を使って「豆腐百珍 十、雷豆腐(かみなりどうふ)」を作りました。

百珍の「雷豆腐」とは、熱くした鍋にごま油を回し入れ、水切りした豆腐を手で崩しながら入れて炒めます。醤油で味付けした後、長葱の小口切りを入れて直ぐに火を止め、大根おろしと山葵の細切りを添えたとうふ料理です。

油の中に豆腐を入れる音を雷に例え、この“雷豆腐”という名前が付けられたのでしょう。

調味料は醤油だけ。軽く火が通った長葱の香りと大根おろし、山葵の極細切りがごま油で炒めた豆腐に絶妙に絡みます。

何処にでもある食材で、誰にでも出来るシンプルな調理方法、そして薬味の合わせ方の妙。二百数十年前のレシピが、今もこうやって簡単に美味しく家庭で作られること、正にこれは完成されたレシピだと言えましょう。

長い歴史を経て変形してきたのでしょう。現在では、ごま油で豆腐を炒めることが工程に入っているだけで、それを“雷豆腐”と称してレシピが紹介されたりしていますが、百珍の「雷豆腐」、この味付けと薬味で食して始めて「雷豆腐」を語るべし・・と考えを改めさせられた一品でした。どうぞ、ぜひお試下さい。


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【七月】 蜆もどき


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今月は、「三之助豆腐」を使って「豆腐百珍 五十七、蜆もどき(しじみもどき)」を作りました。

百珍の「蜆もどき」とは、水切りした豆腐を鍋で煎りって、水分を飛ばし、さらにこれを揚げた後、醤油と酒でしぐれ煮にして仕上げ、出来上がりに青山椒を添える・・という豆腐料理です。

この時期は、青山椒の季節です。油で揚げた後、醤油と酒で味付けをするとこっくりとした味が生まれ、もどき料理でありながら、既に、その粋を越える料理に仕上がっているところは驚きです。そのこっくりした蜆もどきに爽やかな風味のしかもピリッとくる青山椒を添えて仕上げる・・・その青山椒の使い方の感覚に、江戸食文化の質の高さを見る思いがします。いや、現代の食文化と較べても、返って斬新な新しい使い方のように見え、刺激を受けます。

山椒は、日本に最も古くからある香辛野菜です。芽の時期は“木の芽”、花は“花山椒”、花が青い実をつけると“青山椒”、完熟した赤い実を“実山椒”、実を割った中身を“割り山椒”、また、青山椒を粉にしたものを“粉山椒”と呼び、それぞれの段階全てを利用します。また山椒の木の枝も香りが豊かで“すりこ木”に利用され、長い歴史と先人の知恵が詰まっている貴重な香辛野菜といえましょう。そんな青山椒風味をピリッと利かせた季節の味、「蜆もどき」をどうぞご賞味下さい。


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【六月】 茶豆腐


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今月は、「三之助豆腐」を使って「豆腐百珍 八十二、茶豆腐(ちゃどうふ)」を作りました。

百珍の「茶豆腐」とは、煎茶でコトコトと豆腐を煮て、茶の色と風味をつけたものに針わさびと花かつおを添え、割り醤油でいただくという“粋”な豆腐料理です。

ちょうどこの時期は、新茶が出回る時期と重なります。豆腐を静かに煮しめ、新茶の風味を豆腐に移す、こんな粋なアイデアを考え出した江戸グルメ達の質の高さには、ただただ驚きます。また、添える薬味、生わさびを針にして花かつおの上に天盛りにする・・・その美意識と感性にも圧倒されてしまいます。

この料理を再現する時、少しでもこの時代に生きた先人の想いに近づけるよう豆腐を丁寧に扱うことを始め、所作全般に気持ちを込めるよう意識してみました。すると、豆腐のほんのりと甘みの中に新茶の淡い風味が感じられ、完成された料理の奥を楽しむ・・・江戸グルメの粋さを感じ取ることが出来たような気がします。また、作り手のその食材への想いと美味しくいただけることへの感謝は、必然的に気持ちを込めて丁寧に料理することで、受け手へ、“美味さ”という形でしっかりと繋がっていくものだという料理の原点を学ぶことができたような気もいたしました。

江戸の粋な味をどうぞお召し上がり下さい。


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【五月】 香魚もどき


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今月は、三之助のもめん豆腐「かちかち」を使って「豆腐百珍 六十五、香魚もどき(あゆもどき)」を作りました。
百珍の「香魚もどき」とは、水切りして細長く拍子木に切って鮎に見立てた豆腐をカラッと揚げ、そこへ蓼酢をかけた春風味の豆腐料理です。

本来“蓼酢”は塩焼きの鮎に添えた、青臭く、ピリっとした味わいの蓼と酢をあわせた“つけダレ”のこと。

「香魚もどき」とありますが、揚げた豆腐と香魚とは本来全く異なる味わいで、これを“もどき”と呼ぶには少々無理がある・・・と思いつつ、作っていただいてみると、揚げた豆腐に青々とした蓼酢とは絶妙の相性で、爽やかな蓼の青臭さと梅酢の酸味がカリッとした揚げ豆腐に絡み合い、唸ってしまうような洒落た料理が出来上がりました。

この百珍では、毎度の事ながら先人達の知恵、美意識、そして味覚に、“驚き”と“頭の下がる思い”が絶えません。二百数十年も経った現在でも、ほぼ同じ材料で同じものが作れ、そしてそれが目を見張るほど美味しいものが出来上がったり、この現在では、返って新しく斬新な料理にも写ったりします。

先人達の知恵を“先人達の知恵”に留めずに、現在の新しい料理レシピとして甦らせたい季節感のある豆腐料理です。


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【四月】 青海豆腐


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今月は、三之助の絹豆腐「和ら絹」(やわらぎぬ)を使って「豆腐百珍 四十一、青海豆腐(せいがいどうふ)」を作りました。

百珍の「青海豆腐」とは、薄い葛湯で温めた絹豆腐を金杓子で掬い取り、椀に盛って、醤油を指し、炒った青海苔をかけて供すというちょっと趣向の変わったお豆腐料理です。

青海苔を焦がさぬように炒り、それを揉んで粉末にして茶漉しで豆腐の上にふり掛ける。なんともシンプルな素材使いですが、葛を使って豆腐を温める方法といい、青海苔の使い方も丁寧で、しかも、出来上がりの美しさにはただただ溜息が出てしまいます。

料理にかけるその手間のかけ方、丁寧さ、色使い、その感性と美意識の高さには現代に生きる私たちの学ぶべき要素があふれている料理だと思いました。

薄い葛湯は、お豆腐にスが入らず、何とも程よく温まります。そのふんわり柔らかいおとうふに香ばしい青海苔の香りが味に深みを与えます。

青海豆腐の優しい味をぜひお楽しみ下さい。

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【三月】 雉子焼田楽


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今月は、三之助の三之助豆腐(みのすけどうふ)を使って「豆腐百珍 二、雉子焼田楽(きじやきでんがく)」を作りました。

百珍の「雉子焼田楽」とは、醤油で下味をつけた木綿豆腐の田楽に、すり柚子とつけ醤油を添えた、いたってシンプルな豆腐田楽です。

「雉子焼き」(きじやき)とは、もともと雉子(きじ)の肉を白く焼いた料理で、江戸時代は大変高貴なご馳走に位置付けられていたといいます。この料理を寺の精進料理に取り入れる際に豆腐が使われ、四角に切った豆腐に塩をふり、白く焼き上げてから熱い酒をふりかけ、雉子焼き風の“もどき料理”をつくりました。以来、「雉子焼き」と言えばストレートにこの「豆腐田楽」のことを指すようになったと聞きます。

しかし現在では、雉子だけではなく、鶏肉などを焼いたもの、つまり、肉の切り身などをあま醤油に浸け込み、焼いたものを総称して、「きじ焼き」と言っています。

今回の「雉子焼田楽」は精進の豆腐田楽。味噌田楽とはちょっと違い、つけ醤油があっさりと軽く、柚子の香りが更にさっぱり感を出します。豆腐本来の味が引き立ち、酒にも合う一品と言えるでしょう。


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【二月】 砕き豆腐


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今月は、三之助の三之助豆腐(みのすけどうふ)を使って「豆腐百珍 四十八、砕き豆腐」を作りました。

「砕き豆腐」とは、“豆腐”と同量の“小松菜”を胡麻油で炒め、醤油で味付けをし、“柚子のみじん切り”と“切り胡麻”を振りかけたお豆腐料理です。

この「砕き豆腐」が二百年以上も昔のとうふ料理かと驚いてしまいます。どうしても現代の健康を考えた洒落た創作料理と思えて仕方ありません。

この“砕き豆腐”作り方はいたって簡単シンプルそのもの。しかしこのレシピの中には五つの素晴らしい要素が入っています。一つ目は、豆腐と同量の小松菜。小松菜は春と冬に収穫できますが、味がのってくるのは冬の時期。青い野菜の少ないこの時期にたっぷり撮りたい野菜です。ビタミンたっぷりのヘルシー感が素晴らしいと思います。二つ目は、胡麻油で炒めるという調理法。小松菜のビタミンAは油と撮ると吸収がよいのです。三つ目は、一つの鍋でさっと炒める・・・シンプルで簡単な料理法です。四つ目は、柚子のみじん切り又は切り胡麻の風味を添えることで惣菜の粋から料理にグレードを上げているところです。そして五つ目、豆腐も小松菜もふんわりした食感で美味しいこと、これらの要素が揃ってこの「砕き豆腐」がありますが、ひとつ気を付けたい点は、出来上がりの小松菜の色を美しく残すこと。みどり鮮やかな出来上がりを美しいまま食べ手にお伝えできるようさっと仕上げることがコツといえましょう。余裕があれば、美しい色がより映える器選びも楽しめたらよいですね。

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【一月】 はんぺん豆腐


IMAGE今月は、三之助の三之助豆腐(みのすけどうふ)を使って「豆腐百珍 五、はんぺん豆腐」を作りました。

「はんぺん豆腐」とは、豆腐と同量の長芋を合わせ、和紙に包んで縛ったものを茹でてかため、椀だねや煮物にする・・という豆腐料理です。

豆腐百珍の料理を再現していて、時々出てくる美濃和紙。去年二月の“寄せ豆腐”でも和紙で豆腐を巾着に包み、茹でて加熱する・・という調理の方法をご紹介しましたが、同時に和紙で食材を包む調理法の奥深さに気付かされ、そのことがきっかけとなり、ここ埼玉での和紙の産地、小川町の和紙漉き職人との出会いもありました。江戸時代の料理の再現に相応しい和紙、食の安全性を考え科学的なものは一切使用せず、また和紙が濡れて溶けないよう、さらに豆腐の食感をよくする為、こんにゃく製粉を入れた和紙が出来上がりました。

IMAGEこの和紙で包んだ“はんぺん豆腐”が並んだ姿は何とも可愛らしい形です。

「豆腐百珍」に出ているこの“はんぺん豆腐”は葛入りの澄まし汁をかけてありますが、応用でこれらを煮物にしたり、蒸しものとしてわさび醤油などでいただいてもよいでしょう。

この“はんぺん豆腐”、百珍の尋常品の枠にあるものですが、二百年余り経った今でも何とも華やかで洒落れています。いつもながら先人達の知恵、工夫の豊かさに頭が下がるばかりです。


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