創業は今から170余年前、天保の頃。外国船が来航し世の中が騒がしくなりだした頃というが、当主にも確かなことは解らないらしい。
蔵の背後に稲荷社がある。その境内に亭々と聳える欅の巨樹がある御神木である。社だけでなく醤油蔵を守護する御神木だそうな。
夏の暑気は醸造業にとっての大敵、その欅は西日を遮り蔵内の湿度を和らげてくれる有難い御神木だという。
歴史の重みを支えているかの様な黒々とした太い梁や土壁。
そこには、お宝が住んでいるという、それこそが、はつかり醤油を作り出す野生の酵母菌。
薄暗い蔵のなかにずらりと並んだ大きな樽の数々。これも今では貴重なお宝。職人や技術が途絶えて新しいものは手に入らないとのことで、修理を重ねながら丁寧に使っているとのこと。
私が醤油を作っているのではありません。この蔵や酵母、樽、そして自然が醤油を作ってくれているのです。私たちは手助けをしているに過ぎないのです。
【取材を終えて・・・・】 今の時代だから労働削減のため多少の機械化は当然のこと、しかし大半は自然体、昔のまんまだ。 蔵の規模からして自ずから生産量は決まってしまうだろう。 自然の知恵が沢山詰まった醤油を心して食したいものだと思う。