豆腐薬味考 かぐら南蛮

CATEGORY :  知る・楽しむ , 薬味考
UPDATE :  2017/11/30(木)

豆腐薬味考 かぐら南蛮

「かぐら南蛮」は、新潟県の山古志村の在来品種の南蛮で、「かぐら面」に似た形状から「かぐら南蛮」と名付けられたという。ピーマンのような形をしているが、辛味もしっかりと強く、独特の風味と甘味が特長な南蛮である。

山古志村を中心とした周辺の地域では、「かぐら南蛮」を辛味噌に漬け込んだり、甘辛味噌に加工したり、又は醤油漬け、茄子炒め、などと「かぐら南蛮」を使った郷土料理が数多くある。中でも“かぐら南蛮の麹漬け”は、絶品だ。「かぐら南蛮」が粗微塵に刻まれ、麹のつぶつぶも残っている。「かぐら南蛮」の種も残っている。これを湯豆腐に添えたり、鍋ものの薬味として使う。新しい味わいがするのは、“豆乳鍋”だ。豆乳鍋を受ける“とんすい”にこの「かぐら南蛮」とポン酢を少し溶き、熱々の豆腐や野菜を口に入れると、かぐら南蛮と麹の酸味が大豆のほんのりした甘味に混ざり合い、何とも幸せな気分になってくる。